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碓氷勝三郎商店:代表銘柄「北の勝」|根室が育んだ日本最東端の蔵元

碓氷勝三郎商店:代表銘柄「北の勝」|根室が育んだ日本最東端の蔵元 北海道の蔵元

代表銘柄「北の勝(きたのかつ)」を醸す、碓氷勝三郎(うすいかつさぶろう)商店はどのような蔵元なのでしょうか。

このページでは、碓氷勝三郎商店の歴史や特徴・こだわり、おすすめ銘柄、見学情報などを紹介します。

碓氷勝三郎商店の歴史|酒造業を創業したきっかけ

碓氷勝三郎商店の歴史|酒造業を創業したきっかけ

碓氷勝三郎商店は、北海道根室市にある日本最東端の蔵元。1887年(明治20年)の創業以来、根室の地で脈々と日本酒を造り続けている老舗です。店主は5代目の碓氷ミナ子氏が務めています。

創業者は、初代「碓氷勝三郎」。4代目までは勝三郎の名を襲名していましたが、5代目のミナ子氏は、女性であることと「勝三郎の名を継ぐのは怖れ多い」という理由で、襲名せずに継いだそうです。

初代 碓氷勝三郎が根室の地で酒造りを始めたきっかけは「根室で働く人たちの需要に応えるため」と考えられます。

初代は、1854年(嘉永7年)に新潟の商屋に生まれました。しかし勝三郎が15歳のころ家業が行き詰まり、両親はその当時北海道を代表する港町だった江差に移住。勝三郎は地元に残り新潟の北海道製産物問屋に奉公します。

21歳になったころ勝三郎は母と共に函館に移住し、翌年に単身で根室へと渡りました。根室に渡った勝三郎は、行商などの仕事したのち雑貨店を立ち上げます。

当時の根室は、サケ・マス・ニシン漁などが盛んで、北海道漁業の中心地。酒は根室で働く漁師たちにとって欠かせない、非常に需要の高いものでした。ただ、酒造所のない根室では輸送料をかけて本州から運ばれていたため、かなり高額だったようです。

勝三郎は、高額な酒を安く手に入れたい、という漁師たちの需要に応えることに商機を見出し、根室で酒を造ることを決断したのかもしれません。

こういった経緯があり、勝三郎は1887年(明治20)年に酒造業を始めました。これが、現在5代目まで続いている蔵元「碓氷勝三郎商店」の始まりです。

参考
北海道マガジン「カイ」

碓氷勝三郎商店のこだわり|人とのつながりを大切にする蔵元

碓氷勝三郎商店のこだわり|人とのつながりを大切にする蔵元

碓氷勝三郎商店のこだわりは、お世話になった人たちを大切にする思いです。

碓氷勝三郎商店は創業以来、店舗を持って酒を販売したことがありません。社長の碓氷ミナ子氏は、北海道マガジン「カイ」のインタビューの中で、以下のように語っています。

人口がそう多くない根室のまちで、地元の人たちにずっとお世話になっているのに、うちだけがいいとこ取りしたって何のためにもなりませんもの
出典:北海道マガジン「カイ」

碓氷勝三郎商店では、長い付き合いのある地元の卸問屋を通じて小売店で販売してもらう形を取っています。消費者へ直接販売して自分たちだけが儲けるのではなく、お世話になった根室や地元の人たちにも還元したいという気持ちがあるのではないでしょうか。

また、碓氷勝三郎商店では、基本的に本州での販売や通販は行っていません。これは、「責任のない売り方はしたくない」という碓氷ミナ子氏の思いです。ミナ子氏には「顔を見て商する」という理念があります。そのため、長い付き合いのある顔なじみの信頼できる卸問屋にしか商売しない、と決めているようです。

これは、初代勝三郎に通づる考えなのかもしれません。初代は、根室の漁師たちのために酒造りを始めました。「地元の卸問屋が売ってくれたから、地元の人たちが飲んでくれたから、今がある」という思いが強くあるのかもしれません。まさに、碓氷勝三郎商店は根室が育んだ蔵元といえるのではないでしょうか。

碓氷勝三郎商店の見学情報

碓氷勝三郎商店では、蔵の見学を受け付けていません。また、店を持たない蔵元なので、直売店もありません

碓氷勝三郎商店の酒は、根室市内にある各酒販店で購入可能です。根室市内の飲食店での取り扱いもあります。ぜひ根室まで足を運び、蔵の外観を眺めつつ碓氷勝三郎商店の酒をお楽しみください。

※札幌市の百貨店「三越」「丸井今井」での取り扱いあり

【アクセスマップ】

【外観】

 

碓氷勝三郎商店「北の勝 大海」を実際に飲んでみた

北の勝 オリジナル

今回、実際に飲んでみたのは碓氷勝三郎商店「北の勝 大海(だいかい)」です。地元根室で愛され続けている、北の勝の定番の一本を飲んでみました。ラベルの紹介や飲んでみた感想レビューを載せておきます。

大海は、特定名称酒ではなく、一般的にいわれる普通酒に分類される日本酒です。

北の勝 オリジナル ラベル

ラベルは、日本酒らしさがある良い顔。「北の勝」の文字は、漁船に掲げられる大漁旗のような力強さを感じさせてくれます。漁師町根室で生まれ育まれた蔵元らしいデザインではないでしょうか。

北の勝 オリジナル グラス

グラスに注いだ北の勝 大海。

北の勝 オリジナル グラス2

上からの画像です。

今まで多くの普通酒を飲んできましたが、大海は中でもワンランク上の普通酒という印象です。香りはほんのりで控えめ、普通酒にありがちなアルコールっぽいにおいもほとんど感じられません。個性を主張しすぎていない味わいで、抵抗なくスッと入ってくるような飲み口です。普通酒にしては後味にしつこさはなくスッキリしています。ブリとタイのしゃぶしゃぶに合わせてみましたが相性は抜群。漁師町の酒ということで海鮮系に合うと紹介されていますが、その癖のない味は、薄口・濃口にかかわらずどんな料理とも合わせられるという印象です。

おすすめ温度帯はお好みでOKだと思います。今まで普通酒は冷や(常温)か燗で飲むことが多かったのですが、今回は冷酒で飲んでみました。冷酒から飲むと、冷たい状態から徐々に常温となっていく温度変化による味わいや、それぞれの温度帯と料理との相性も楽しめるのでおすすめです。燗から徐々に常温へとなっていく飲み方も良いでしょう。

飲みやすくさまざまな料理との相性が良い「北の勝 大海」、晩酌で楽しむ普段酒・食中酒としてもおすすめの一本です。ぜひ、試してみてください。

碓氷勝三郎商店のおすすめ銘柄

代表銘柄は「北の勝」を醸す、碓氷勝三郎商店のおすすめ銘柄を紹介します。

北の勝つは、すっきりとし飲み口で、さまざまな料理に合わせやすのが特徴。食中酒や普段酒としてはもちろん、手に入りにくい希少性が高い日本酒なので、贈り物やお土産としても選ばれています。

直売店や公式オンラインショップはありませんが、小売店を通しインターネット上で販売されています。

北の勝 本醸造

特定名称 本醸造酒
原料米 五百万石
精米歩合 60%
アルコール度数 15〜16度
日本酒度 +2
酸度 1.7
味わい やや辛口

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北の勝 鳳凰(ほうおう)

原料米 国産米
精米歩合 70%
アルコール度数 15〜16度
日本酒度 +1
酸度 1.4
味わい 中庸

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北の勝 大海(だいかい)

原料米 国産米
精米歩合 71%
アルコール度数 15〜16度
日本酒度 +1
酸度 1.3
味わい 中庸

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根室が育んだ碓氷勝三郎商店が醸す希少性の高い地酒「北の勝」、ぜひお試しください!

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