米がもつ本来の旨味や香りが存分に楽しめる「純米酒」。近年ますます人気の高まりを見せている日本酒です。
多くの蔵元から個性的で魅力的な商品が販売されていますが、純米酒とはどのような日本酒を指すのでしょうか。
そこで今回は、純米酒の定義や特徴、吟醸酒との違い、おすすめの楽しみ方などを解説します。
あなたにとって最高の一杯を見つけるきっかけになれば幸いです。
純米酒とは?定義と吟醸酒との違い

純米酒とは、米・米麹・水だけで造られる特定名称の清酒を指します。
特定名称とは、国税庁「清酒の製法品質表示基準」により所定された製法要件を満す日本酒です。要件を満たす日本酒は、「純米酒」などの製法品質名称をラベルや包装に表示して販売することができます。
次では、「清酒の製法品質表示基準」を参考に純米酒とは何なのか定義を解説し、吟醸酒との違いにも触れていきます。
純米酒とは?定義を簡単に解説
「清酒の製法品質表示基準」により、純米酒は以下のように定義されています。
【純米酒の定義】
| 使用原料 | 米・米麹・水 |
|---|---|
| 精米歩合 | ー |
| 麹米使用割合 | 15%以上 |
| 香味等の要件 | 香味、色沢が良好 |
純米酒の定義のポイントになるのは、使用原料が米・米麹・水のみであることです。
他の種類の特定名称の要件には含まれている精米歩合ですが、純米酒には定められていません。過去には純米酒にも精米歩合は定められていました(70%以下)。しかし、2004年(平成16年)の清酒の製法品質表示基準改正により、純米酒の精米歩合の要件は削除されています。
純米酒の精米歩合の要件が削除された理由は、醸造設備と技術の進歩により、従来の純米酒の基準を満たさない米・米麹・水で造られる日本酒(いわゆる「米だけの酒」)でも、純米酒に匹敵する品質のものが造れるようになったためです。
したがって、清酒の製法品質表示基準による純米酒の定義を一言で表すと、「米だけで造った日本酒」となります。
純米酒と吟醸酒の違いは?
純米酒と吟醸酒との明確な違いは使用原料と精米歩合の有無です。
| 純米酒 | 吟醸酒 | |
| 使用原料 | 米、米麹、水 | 米、米麹、水、醸造アルコール |
|---|---|---|
| 精米歩合 | - | 60%以下 |
| 麹米使用割合 | 15%以上 | 15%以上 |
| 香味等の要件 | 香味、色沢が良好 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
吟醸酒の使用原料の要件には「醸造アルコール」が含まれていますが、純米酒には含まれていません。吟醸酒には精米歩合の要件がありますが、純米酒には前述した理由により要件はありません。
そのため、純米酒と吟醸酒との違いは、「使用原料」と「精米歩合の有無」となります。
また、吟醸酒には「吟醸造り」という、製造方法の要件もあります。「吟醸造り」については、関連記事を参照ください。
純米酒の特徴|香り・味わい・おすすめの温度帯

純米酒の楽しみ方として、「香り・味わい」「おすすめの温度帯」などの特徴を紹介します。
純米酒の「香り・味わい」の楽しみ方
米・米麹・水のみで造られる純米酒は、米本来の香りと旨味が存分に楽しめるのが特徴。米の香りはもちろん、口に含まば旨味や深みのあるコクを感じることができます。
グラスに注いだ際の香りだけでなく、「含み香(ふくみか)」という口に含んだときに感じられる香りや旨味を楽しむのも日本酒の醍醐味です。
純米酒には多くの種類があり、それぞれで香りや味わいが異なるのも特徴であり魅力でもあります。
純米酒の香りを表現する際に使われる「ふくよか」。日本酒における「ふくよか」とは、米・穀物のような旨味成分を感じさせる香りや味わいを表現する際に使われる言葉です。
ただ「ふくよか」の捉え方は人により異なり、例えば「口いっぱいに『ふくよか』な力強さが広がる」と感じる人もいれば、「まろやかで優しい『ふくよか』さが口に広がる」と感じる人もいます。
このように、純米酒はさまざまな香りや味わいの捉え方が楽しめる日本酒です。いろいろ飲み比べてみて、自分好みの「ふくよか」を見つけてみるのも一つの楽しみ方ではないでしょうか。
純米酒におすすめの温度帯
純米酒は温度によって、さまざまな香り・味わいを楽しめるお酒です。そのため、好みの温度帯は人それぞれで異なります。
ただ、温度帯によって特徴があるので参考にしてみてください。
| 温度 | 特徴 | |
|---|---|---|
| 冷酒 | 15度以下 | 香りが落ち着きすっきりした味わいで飲みやすい |
| 冷や(常温) | 20度前後 | その酒本来の香り・味わいを楽しめる |
| ぬる燗 | 40度前後 | 豊かな香りで味わいも引き立つ |
| 熱燗 | 50度以上 | 香りが広がり繊細な味わいと深いコクが感じられる |
日本酒は温め過ぎると香りが飛んだり旨味が失われたりする一方、冷やし過ぎても香りが十分に感じられなくなるので注意しましょう。
純米酒を楽しむ際の温度帯は人それぞれ異なるものです。初めて飲む銘柄なら、まずは酒造メーカーが商品ごとにおすすめしている温度帯で試してみるのも良いでしょう。
また、料理に合った温度帯で楽しんでみるのもおすすめです。
純米酒と相性の良い料理

結論から伝えると、米本来の旨味を感じられる純米酒は、どんな料理とも相性の良い日本酒です。
ただ、米だけで造るお酒なので、どちらかと言えば米のおかずとして選ばれる「味付けがしっかりとした料理」が好まれる傾向にあります。
【肉料理】
・豚の角煮
・すき焼き
・鶏の唐揚げ
・ステーキやハンバーグ
【魚料理】
・煮魚
・塩焼き
・西京焼き
・うなぎ
・鍋料理
他にも、キムチやたくあんなどの味が濃い目の漬物、チーズ、枝豆などをツマミにして楽しむのも良いでしょう。
味のしっかりした料理の具体例を紹介しましたが、純米酒は先述したように「どんな料理とも相性が良い」お酒。特に冷や(常温)は、どんな料理にも合わせやすい温度帯です。
冷酒や燗酒は、料理を工夫することでより楽しむことができます。具体的には冷たい料理には冷酒・温かい料理には燗酒と、温度帯で料理を合わせてみてみましょう。
例えば、冷酒を飲みたいなら「さっぱり系の料理」や「よく冷やした刺身」を合わせてみるなど、自分に合った組み合わせを見つけるのも純米酒の楽しみ方です。
純米酒を知り自分に合った楽しみ方を見つけましょう!

純米酒は、米・米麹・水だけで造られる米本来の旨味や香り、味わいを感じられるお酒。冷酒から燗酒までの幅広い温度帯で楽しめ、どんな料理にも合わせられるのが特徴です。
また、各蔵元の工夫により、女性や日本酒ビギナーでも飲みやすい種類の展開がされているのも魅力といえます。純米酒を知り、さまざまな種類を試し、自分に合った楽しみ方を見つけましょう。



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