地酒「上川大雪」を造る「上川大雪酒造 緑丘蔵(かみかわたいせつしゅぞう りょっきゅうぐら)」は、どのような蔵元なのでしょうか。
このページでは、上川大雪酒造の歴史を解説し、緑丘蔵とはどのような酒蔵なのか・特徴・おすすめ銘柄・見学情報などを紹介します。
上川大雪酒造株式会社の歴史|会社の始まりは四日市市
上川大雪酒造株式会社は、北海道の上川町に本社を置く清酒製造会社です。
・2016年(平成28年):北海道へ移転し上川大雪酒造株式会社へ商号変更
・2017年(平成29年):上川大雪酒造株式会社として酒造りを開始
上川大雪酒造株式会社としての始まりは2016年ですが、1955年に三重県の四日市市で設立された「ナカムラ」という酒造会社が前身となっています。ナカムラが北海道上川町へ移転し社名変更して誕生したのが、上川酒造株式会社です。
ナカムラは代表銘柄「三瀧川」などで知られる県内有数の酒蔵でしたが、経営難などによりお酒の製造を中止していました。製造中止していたナカムラでしたが、三國清三シェフ監修レストランを運営する「三國プランニング」の副社長(当時)塚原敏夫氏の働きかけにより、北海道上川町への移転の話が持ち上がります。
塚本氏が北海道上川町への移転を提案した理由は、「近年高い評価を受けている上川を中心とした道産の酒造好適米と、大雪連峰がもたらす天然水で酒造りをしたらどうか」と考えたためです。
北海道上川町は良質な米と水に加え、酒造りに適す涼しい気候に恵まれています。また、当時の上川町は、新たな産業振興を進めていたため、酒蔵誘致に積極的な姿勢を見せていました。
このような好条件が重なり、ナカムラは北海道上川町への移転を決断します。2016年、社長に塚本氏が就任し「上川大雪酒造株式会社」が誕生。
翌年の2017年、上川大雪酒造株式会社 緑丘蔵が創設され、酒造りがスタートしました。
上川大雪酒造株式会社は北海道への移転から日の浅い若い酒蔵ですが、2024年時点で帯広市と函館市にも酒蔵を展開しています。今後の成長が楽しみな酒造会社といえるでしょう。
上川大雪酒造 緑丘蔵(りょっきゅうぐら)について
北海道旭川市の東、上川郡上川町に位置する上川大雪酒造 緑丘蔵(りょっきゅうぐら)。上川大雪酒造株式会社が北海道内に展開する3つの酒蔵のうちの一つで、同社が本社を構える酒蔵です。
ここでは、緑丘蔵とはどのような酒蔵かを解説し、酒造りのこだわりや特徴なども紹介します。
緑丘蔵は地元に支えられながら成長を続ける「地方創生蔵」
2017年、大雪山国立公園の麓に位置する上川町に創設された緑丘蔵は、地元からのボランティア活動に支えられながら成長し続けている酒蔵です。
地元の上川町では、「酒蔵支えTaI(さかぐらささえたい)」という、自発的に結成された緑丘蔵の応援団が結成されています。「酒蔵支え TaI」は町民有志で構成され、緑丘蔵に関連することなら何でもサポートするという団体です。休日を中心に蔵の手伝いや草刈り作業など、さまざまなボランティアを行っています。
緑丘蔵には、「サポートしてくれる町民のためにも、地域に愛される地酒を生み、地域活性に貢献したい」という思いがあります。緑丘蔵は、まさに地域に根ざす「地方創生蔵」といえるでしょう。
緑丘蔵のこだわりや特徴|「飲まさる酒」を目指して
緑丘蔵のコンセプトは「普通に造る」、目指すのは「飲まさる酒」。
「飲まさる」とは、「ついつい飲んでしまう」という北海道弁。緑丘蔵の特徴は、「美味しくてついつい飲んでしまうお酒を普通に造る」酒蔵であることです。
緑丘蔵のある上川町は、日本酒の原料となる水・米に恵まれた地域。
上川町には、大雪連峰の湧水を源流とする酒造りに理想的な約7度の天然水があります。さらに、北海道でも米どころとも知られる上川町では、酒造好適米の生産も盛んです。
緑丘蔵は純米酒のみを製造しているのも特徴。水・米・米麹のみで造られる純米酒だけにこだわるのも、良質な原料あってのことではないでしょうか。
このように、地元で手に入る理想的な原料を使って「普通に造る」のが緑丘蔵のやり方です。
では、緑丘蔵にとって「普通に造る」とは何なのか。
緑丘蔵では、大きな仕込みタンクは使用せず、一本一本のもろみを丁寧に仕込む「小仕込み・高品質」の酒造りを行っています。
極端なことではなく、伝統的な酒造りを普通に行うことが「緑丘蔵の酒造り」です。
上川大雪酒造 緑丘蔵の希少性の高い銘柄|地域限定酒「神川」
- 造り:純米
- 原料米:道産酒造好適米
- 精米歩合:70%
- アルコール度:15度
神川は希少性の高い日本酒
上川大雪酒造 緑丘蔵の地域限定酒「神川(かみかわ)」は、地元の北海道上川町地区でしか販売されていない地酒です。直営ショップや直営オンラインショップでも売られていない、希少性の高い日本酒として地元で愛されています。
地元の酒屋やコンビニでは手に入るため、全国各地から神川を求めて上川町を訪れる日本酒ファンも少なくありません。このように、地元限定酒が地域の活性に一役買っていることは、緑丘蔵の「地域に愛される地酒を生み、地域活性に貢献したい」という目的が現実になっている証拠ではないでしょうか。
地元から愛され支えられ成長を続ける緑丘蔵。地元産原料にこだわった「飲まさる酒『神川』」を楽しみたいなら、ぜひ上川町に足を運んでみてください。
神川を入手する方法は?
神川は直営のオンラインショップでも入手できない地元限定酒ですが、現地に行かなくても入手する方法があります。
その方法は、上川町のふるさと納税の返礼品として入手することです。
また、上川町のふるさと納税では、新鮮な野菜や果物、上川町の宿泊施設で使える楽天トラベルクーポンなどのさまざまな返礼品も用意されています。
上川郡上川町といえば、北海道の大自然を感じられる景勝地「層雲峡温泉」があるエリアです。層雲峡温泉に泊まって、現地で「神川」を購入するのも良いかもしれません。
詳しくは、楽天ふるさと納税の北海道上川町のページを確認ください。
上川大雪酒造 緑丘蔵の見学情報
上川大雪酒造 緑丘蔵では、蔵内部の見学を受け付けていません。ただ、屋外の見学窓からは自由に見学できます。
ギフトショップは、夏季10:00〜16:00、冬季10:00〜15:00で営業しています。
ギフトショップでは上川大雪のレギュラー品やショップ限定の日本酒のほか、酒器や手ぬぐいなどの雑貨の購入が可能です。ただ、不定休のため、遠方から足を運ぶ際は事前に確認することをおすすめします。
住所:北海道上川郡上川町旭町25番地1
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