山形県の中心部、山形市八日町。かつて山形城の城下町として栄えたこの地に、江戸時代の1789年(寛政元年)から暖簾を掲げる蔵があります。それが、山形市内で屈指の歴史を誇る男山酒造株式会社です。
代表銘柄「羽陽男山(うようおとこやま)」が長年追求してきたのは、時代に流されない「キレのある辛口」。蔵王連峰の清冽な水と、山形の豊かな大地が育んだ米、そして職人たちの情熱が三位一体となり、凛とした「男の酒」が醸し出されています。
このページでは、230年以上の伝統を守りつつ、進化を続ける男山酒造の「米・水・人」への深いこだわりを紹介します。
男山酒造の歴史と「羽陽」の名に込めた誇り
男山酒造の歩みは、城下町・山形の食文化と共にありました。
江戸時代・寛政年間から続く老舗の系譜
男山酒造の創業は江戸中期の1789年(寛政元年)。山形城下で230年以上にわたり、一貫して酒を造り続けてきた歴史ある蔵です。幾多の時代の変化を乗り越え、現在までその灯を守り抜いているのは、地域の人々に寄り添い、信頼される酒を実直に提供し続けてきた証でもあります。
「羽陽男山」という名のアイデンティティ
「男山」という名の付く日本酒は全国に点在しますが、山形の男山は「羽陽(うよう)」の名を冠しています。「羽陽」とは山形の旧国名である出羽国の別称。この名を冠することで、「山形の風土でしか醸し得ない、唯一無二の男山である」という強い自負と郷土への誇りを表現しています。
男山酒造のこだわり|米・水・人の三位一体
男山酒造が追求するのは、奇をてらわない「本物の旨さ」。それを支えるのは、妥協なき素材選びと伝統の技です。
【米】山形のテロワールを映す酒米
酒造りの根幹となる米は、「出羽燦々(でわさんさん)」や「雪女神(ゆきめがみ)」、「美山錦」といった山形県産の酒造好適米を主に使用しています。地域の農家と密に連携し、その年の米の性質をいち早く把握。米の個性を最大限に引き出し、雑味のないクリアな旨味へと昇華させます。
【水】蔵王連峰の清冽な伏流水
仕込み水には、山形の象徴である蔵王連峰の雪解け水が、長い年月をかけて地下深くで磨かれた伏流水を使用。適度なミネラルを含みながらも、柔らかく清らかなこの水が、男山特有の「スッキリとした爽快なキレ」を生み出す生命線となっています。
【人】伝統を繋ぎ、進化させる技術者たち
酒造りは、良質な米と清冽な水、そして麹菌や酵母といった微生物の働きによって成される神秘的な営みです。しかし、その繊細な発酵のプロセスを正しく導き、最高の状態で調和させるのは、他ならぬ「人の手」に委ねられています。
男山酒造の酒質|「飽きのこない辛口」の追求
男山の酒を語る上で欠かせないキーワードは、「飲み飽きしない」ことです。
派手な香りで一時的に惹きつけるのではなく、一口、二口と盃を進めるごとに旨味が増し、最後は潔くキレる。そんな「食中酒」としての完成度を追求しています。山形の厳しい冬の寒さを利用した低温発酵により、きめ細やかで凛とした、まさに「男山」の名にふさわしい味わいが完成します。
男山酒造の酒蔵情報
山形駅からほど近い市街地にありながら、静謐な空気が流れる歴史ある蔵元です。
| 所在地 | 山形県山形市八日町2丁目4-13(Googleマップで確認) |
|---|---|
| 社長 | 尾原儀助氏 |
| 代表銘柄 | 羽陽男山 |
| 酒蔵見学 | 可(要予約) |
| 直売所 | 無 |
| アクセス | ・JR山形駅よりタクシーで3分程度 ・JR山形駅より徒歩15分程度 |
| 公式HP | https://www.otokoyama.co.jp/ |
| 公式オンラインショップ | 無 |
酒蔵見学は電話予約が必要です、詳しくは公式HP「蔵見学」を確認してください。
男山酒造のおすすめ銘柄
| 羽陽男山 大吟醸 壺天(こてん) | 羽陽男山 山廃 純米大吟醸 雪男山 |
|---|---|
| 山田錦を35%まで磨き、低温でじっくりと醸した、男山酒造の技術の粋を集めた最高峰の一本。名前の由来は中国の故事にちなみ、「別天地( paradise in a jar)」を意味している。その名の通り、グラスから立ち上がる高貴な香りと、深く洗練された味わいは、飲む人を日常を離れた至福のひとときへ。 | 伝統的な「山廃(やまはい)仕込み」で醸された、奥深い味わいの純米大吟醸。雪女神を40%まで磨き、天然の乳酸菌の力を借りる山廃仕込みならではの、奥行きのある酸味とコクが特徴。大吟醸の華やかさを持ちつつも、芯の通った力強さとキレがあり、冬の山形の静寂を感じさせるような透明感あふれる逸品。 |
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次なる100年へ繋ぐ、変わらぬ「男山」の味
地元の米を愛し、蔵王の水に感謝し、造り手の情熱で微生物の営みを最高の一滴へと導く、男山酒造。
その一貫した姿勢が、多くのファンを惹きつける「潔い辛口」を生み出しています。山形の歴史と風土が溶け込んだ「羽陽男山」。その凛とした一滴と共に、心安らぐ晩酌の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。



