山形県の中央部にそびえる名峰・月山(がっさん)。夏でも雪を残すこの万年雪の山は、古くから信仰の対象であり、豊かな水の源でもあります。その麓、寒河江(さがえ)市に蔵を構える月山酒造(がっさんしゅぞう)は、この大自然の恵みを一滴の美酒へと変える名手です。
最大の特徴は、日本名水百選にも選ばれた月山の伏流水を贅沢に使用していること。400年もの歳月をかけて地中で磨かれた水が、酒に驚くほどの透明感とキレをもたらします。
このページでは、月山酒造株式会社の歴史やこだわり、そして山形の雪景色を連想させる銘柄「銀嶺月山(ぎんれいがっさん)」の魅力について解説します。
月山酒造の歩み|三蔵の伝統が紡ぐ「山形の心」
月山酒造の歴史は、山形の優れた酒造技術が一つに集結した歴史でもあります。
3つの蔵の志が一つに
現在の月山酒造は、1972年(昭和47年)に寒河江市と朝日町の3つの蔵元が、より高品質な酒造りを目指して合名して誕生しました。それぞれの蔵が培ってきた伝統と技術を融合させることで、全国、そして世界へ誇れる酒造り体制を築き上げたのです。
朝日町に息づく「豊龍蔵」
月山酒造を語る上で欠かせないのが、創業1700年頃とされる朝日町にある「豊龍蔵(ほうりゅうくら)」の存在です。旧鈴木酒造から続くこの蔵は、地域に根ざした伝統的な酒造りの精神を今に伝えています。寒河江の本社蔵と、歴史の面影を残す豊龍蔵。この2つの拠点が持つ厚みが、月山酒造の多様な味わいを支える礎となっているのではないでしょうか。
月山酒造のこだわり|日本名水百選「月山の伏流水」
「酒の味は水で決まる」と言われますが、月山酒造ほどその恩恵を象徴する蔵は多くありません。
400年の時をかける「奇跡の水」
仕込み水として使われるのは、月山に降った雪が400年という果てしない時間をかけて麓に湧き出た伏流水です。ブナの原生林を通り、地層深くでゆっくりと濾過された水は、ミネラル分が極めて微細に溶け込んだ、雑味のない清冽な味わい。まさに「日本名水百選」の名にふさわしい逸品です。
極寒の地での「寒造り」
雪に深く閉ざされる山形の冬は、酒造りにとって理想的な環境です。清浄な空気の中で、月山の伏流水を使い、低温でゆっくりと発酵させる。この「寒造り」によって、銀嶺月山特有の、水晶のように澄み切った味わいが生み出されます。
銀嶺月山|雪国の美学を映した銘柄
代表銘柄「銀嶺月山」の名は、雪を頂き銀色に輝く月山の雄姿に由来します。
その酒質は、まさに月山の姿そのもの。華やかすぎず、凛とした気品があり、一口飲めばスッと喉を通り抜ける爽快なキレがあります。全国新酒鑑評会での金賞受賞常連であることからも、その技術力の高さがうかがえます。料理の邪魔をせず、むしろ素材の味を引き立てる「究極の食中酒」として、多くの食通を虜にしています。
月山酒造の酒蔵情報
| 所在地 | 山形県寒河江市大字谷沢769-1(Googleマップで確認) |
|---|---|
| 社長 | 鈴木潤一氏 |
| 代表銘柄 | 銀嶺月山 |
| 酒蔵見学 | 可(要予約) |
| 直売所 | 有 |
| 公式HP | https://www.gassan-sake.co.jp/ |
| 公式オンラインショップ | https://ginreigassan-sake.com/ |
酒蔵から車で10分ほどの場所に「月山の酒蔵資料館」があります。詳しくは、月山酒蔵資料館公式HPを確認ください。
銀嶺月山のおすすめ銘柄
| 銀嶺月山 大吟醸 12年熟成 | 銀嶺月山 純米吟醸 月山の雪 |
|---|---|
| 蔵内の低温貯蔵庫で12年もの歳月をかけて静かに眠らせた至高のヴィンテージ。長期熟成ならではの、角が取れたまろやかな奥行きと、大吟醸の気品ある香りの融合。時の流れが育んだ琥珀色に輝く深いコクと、シルクのような滑らかな喉越しが堪能できる超一級品。 | 新雪のようにさらりと溶けるような口当たりが特徴。お米の優しい旨味と、月山の伏流水による清涼感の見事な調和。香りが控えめで食事との相性も良く、初心者から愛飲家まで幅広く支持される蔵を代表する人気ボトル。 |
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月山の恵みを、次世代へ
月山酒造のお酒を飲むということは、400年の時を超えた「山の記憶」を味わうことでもあります。
寒河江の技術と朝日町・豊龍蔵の伝統。そして日本名水百選の伏流水。これらが重なり合って生まれる「銀嶺月山」は、山形の風土そのものを象徴するお酒です。心まで洗われるような、澄み切った一滴。その至福の体験を、ぜひお手元のグラスで感じてみてください。



