代表銘柄「宝船浪の音(ほうせんなみのおと)」を醸す、有限会社 佐々木酒造店(ささきしゅぞうてん)は、宮城県名取市に蔵を構える蔵元です。
このページでは、有限会社 佐々木酒造店の歴史やおすすめ銘柄などを紹介します。
佐々木酒造店について
有限会社佐々木酒造店は、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)に蔵を構える日本酒を造る会社です。社長は佐々木加知枝氏が務め、蔵を統括する専務には兄の佐々木洋氏、杜氏は弟の佐々木淳平氏の兄弟が切り盛りしています。
佐々木酒造店の歴史
佐々木酒造店の創業は1871年(明治4年)。運送業を営んでいた初代の佐々木新助が伊達藩の御用港として栄えた閖上で造り酒屋を創業したのが始まりです。屋号は「波の音」、銘柄は現在も受け継がれている「宝船浪の音」とします。
屋号の「波の音」は、閖上の絶え間なく聞こえる波の音に由来。銘柄の「宝船浪の音」は、波の音と共に港へ帰る漁船が富と幸せをもたらすように、という想いが込められています。
創業当時からの信念は、「地酒とはその土地の文化を液状化したものである」。その信念どおり、地元の米と蔵の前を流れる名取川の伏流水での酒造りにこだわっています。
震災の津波による蔵の全壊・流出
2011年3月11日に発生した東日本大震災。佐々木酒造店が蔵を構える閖上も甚大な被害を受けました。海岸から1.5kmの位置にある佐々木酒造店の蔵も、津波によって全壊・流失してしまいます。
そんな絶望的な状況のなか、奇跡的に2本のタンクが破損も流出もなく残っていました。奇跡的に残ったタンクの酒は「閖(ゆり)」と名付けられ、震災発生からちょうど1年後となる2012年3月11日に「震災復興酒」として販売。佐々木兄弟は、「酒造りはやめないと」決意します。
地元「閖上」で蔵を再建
2012年12月からは、仮設工場での酒造りを開始。仮設工場での酒造りは日本醸造史上初めてのことだったそうです。
2017年、復興が進む閖上での蔵の再建を考え始め、酒蔵の設計図を引きます。
そして2019年、日本酒の日である10月1日に閖上の地に蔵を開き、再建を果たしました。
佐々木酒造店の所在地や蔵見学情報
- 住所:宮城県名取市閖上中央1丁目12-3
- 電話:022-398-8596
- 蔵見学:可(要予約)
- 直売所:有
- 公式HP:https://housen-naminooto.com/
蔵見学は予約することで可能です。詳しくは公式HPに専用ページがあるので、そちらを確認してください。
佐々木酒造店のおすすめ銘柄は「宝船浪の音 純米吟醸 玲瓏」
佐々木酒造店のおすすめ銘柄は「宝船浪の音 純米吟醸 玲瓏(れいろう)」。玲瓏は、酒と料理、酒の席の人と人、沢山の出会いが良縁になるようにと願いが込められた銘柄です。
特定名称 | 純米吟醸酒 |
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原料米 | トヨニシキ |
精米歩合 | 55% |
アルコール度 | 15度 |
震災を乗り越え、再建を果たした蔵が醸す閖上の地酒をぜひ試してみてください。
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