生活するうえで身近な存在にある「お酒」ですが、そもそもお酒とはどのようなものを指すのでしょうか?
お酒は、酒税法により定義されています。そのため、お酒は法律に則って製造・販売されている飲み物です。
また、お酒は種類により分類されていますが、分類には酒税法と製造方法との2つがあるのはご存知でしょうか。
このページでは、お酒の定義と酒税法を簡単に解説し、お酒の2つの分類について紹介します。
お酒とは?定義が酒税法で定められている理由
お酒は、酒税法上「酒類」とされるものです。国税庁では酒税法を根拠とし、「お酒とは、アルコール度数が1%以上の飲料の総称」と定義しています。
あくまでも酒類は、飲むことを目的としたものです。そのため、アルコールを含んでいても「飲用以外の目的で製造されるもの」「医薬品・医薬部外品」などは酒類に分類されません。
では、なんのために酒税法によりお酒が定義されているのでしょうか。
定義する理由:①種類ごとの酒税を明確にするため
酒税法によりお酒を定義する理由の一つは、お酒の種類ごとに酒税を明確にするためです。
前章で解説したように、酒税法で「お酒とはアルコール度数が1%以上の飲料の総称」と定義されています。したがって、アルコール度数1%以上の飲み物すべて酒税の課税対象です。
ただ、お酒にはさまざまな種類があり、それぞれでアルコール度数や製造方法が異なります。異なるお酒の種類それぞれに、適切な税率を設定ししたものが酒税法です。
このように、お酒を定義することで、お酒それぞれにかかる酒税に明確な根拠を与えているのです。
酒税法ではお酒を「酒類」と表現し、4種類に分類しています。4つの分類については、後章で紹介しています。
定義する理由:②お酒の製造・販売に規制を設けるため
お酒を定義する2つ目の理由は、お酒の製造・販売に規制を設けるためです。
お酒は誰もが造れるわけではありません。お酒の製造と販売には、税務署への免許申請が必要です。
誰もがお酒を製造・販売できてしまうと、製造者・販売者の把握ができなくなり酒税の徴収は困難となります。製造者・販売者を免許制で管理することで、適切な酒税徴収の環境が整備されているのです。
酒税法と製造方法 2つのお酒の分類とは
お酒の分類には、大きく分けて「酒税法による課税上の分類」と「製造方法による分類」の2つがあります。
以下のように、お酒の種類は「酒税法による課税上の分類では4種類」、「製造方法による分類では3種類」に分けられています。
酒税法による課税上の4つ分類 |
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製造方法による3つの分類 |
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ここでは、それぞれの分類について簡単に説明します。
酒税法による課税上の4つ分類と17品目
酒税法による課税上の分類には4種類あり、種類の区分として17品目が定義されています。
分類 | 品目 |
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発泡性酒類 | 1.ビール 2.発泡酒 |
醸造酒類 | 3.清酒 4.果実酒 5.その他の醸造酒 |
蒸留酒類 | 6.連続式蒸溜焼酎 7.単式蒸溜焼酎 8.ウイスキー 9.ブランデー 10.原料用アルコール 11.スピリッツ |
混成酒類 | 12.合成清酒 13.みりん 14.甘味果実酒 15.リキュール 16.粉末酒 17.雑酒 |
いわゆる「新ジャンル」や「第三のビール」と呼ばれているものは発泡性種類に分類されていますが、品目にはありません。
各品目についての詳細は、関連記事をご覧ください。
製造方法による3つの分類
お酒の製造方法による分類は3種類で、以下のように分けられています。
分類 | 製造方法 |
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醸造酒 | 原料をそのまま、または糖化したうえで、アルコール発酵をさせて造った酒類。 さらに以下3つに細分される。 ①単発酵酒…ワインなどの糖分を含む原料をそのまま発酵させたお酒 ②単行複発酵酒…ビールや発泡酒などの原料を糖化した後に発酵させたお酒 ③並行複発酵酒…清酒などの原料の糖化と発酵の両作用を並行させたお酒 |
蒸留酒 | 醸造酒、その半製品、醸造酒の副産物(粕)及びその他アルコール含有物を蒸留し て造った酒類。焼酎やウイスキー、ブランデー、ウオッカなど。 |
混成酒(再製酒) | 醸造酒、その半製品、蒸留酒などをもとに、これらを互いに混合したり、糖類や香味 料、色素などを加えたりすたお酒。合成清酒、みりん、リキュールなど。 |
まとめ
お酒とは、「アルコール度数が1%以上の飲料の総称」と定義されています。
お酒に定義がある理由は、種類ごとの酒税の明確化と製造・販売に規制を設けるためです。それにより、日本では酒税の徴収環境が整備されています。
ただ、それぞれの種類で造り方やアルコール分は異なります。製造方法によってもお酒は分類されているため、自分の好きなお酒の知識を深めれば、よりお酒を楽しめるようになるでしょう。
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