代表銘柄「真鶴(まなつる)」を醸す、株式会社田中酒造店(たなかしゅぞうてん)は、宮城県加美町に蔵を構える蔵元です。
このページでは、株式会社田中酒造店の歴史やおすすめ銘柄などを紹介します。
田中酒造店について
田中酒造店は、その美しい山容から加美富士と呼ばれる薬萊山を望む、宮城県加美町に蔵を構える造り酒屋です。社長は梶井保和氏、杜氏は盛川泰敬氏が務めています。
67年ぶりに生酛造りを復活させた田中酒造店。ここでは、田中酒造店の歴史やこだわりなどを紹介します。
田中酒造店の歴史
田中酒造店の創業は1789年(寛政元年)。伊達藩の呉服商だった初代の田中林兵衛が、事業拡大を目的として酒造業に進出したのが始まりです。
当時は呉服商がメイン事業だったため、酒造業はあくまでも米の有効活用を目的としたサイドビジネスの位置づけでした。しかし、1941年(昭和16年)の太平洋戦争開戦直後に公布された物資統制令を機に呉服商を廃業し、造り酒屋一本に事業を絞ります。
67年ぶりに復活させた生酛づくりの純米酒
田中酒造店は、67年ぶりに生酛造り(きもとづくり)を復活させた蔵です。生酛造りとは、自然の乳酸菌を活用する日本酒の伝統的な製法の一つ。
現在の酒造りは、人工的につくられた乳酸を添加して発酵を促す速醸酛(そくじょうもと)が一般的です。生酛造りは乳酸を添加せず、桶で麹・米・水を混ぜ合わせることで自然の乳酸菌を増殖させる製法。速醸酛に比べて時間も労力もかかりますが、より複雑で深みのある風味を持つ日本酒を生み出すとされています。
田中酒造店では伝統的な酒造を続けて「多くの人たちに日本酒文化を届けることを誇りとしていきたい」としています。
代表銘柄「真鶴」の由来
田中酒造店の代表銘柄「真鶴」は、女流文学者が詠んだ歌に由来しています。
創業当時の銘柄は「東華正宗(とうかまさむね)」でした。この東華正宗が、後に真鶴となる酒です。
「真鶴」を命名したのは、当時の領主であった只野行義(通称:只野伊賀)。東華正宗を献上した際、その旨さに感動した只野行義が、酒名を「真鶴にせよ」と言い渡したことで酒名が「真鶴」となりました。
真鶴とは領主の奥方で女流文学者であり女流詩人としても活躍していた只野真葛(まくず)が、庭で舞い遊ぶ鶴を詠んだ歌に登場する「真鶴」が由来しています。
田中酒造店の所在地
- 住所:宮城県加美郡加美町字西町88-1
- 電話:0229-63-3005
- 蔵見学:可(要予約)
- 直売所:有
- 公式HP:https://www.manatsuru.co.jp/
- アクセス:JR陸羽東線西古川駅からバスで約15分・東北自動車道古川ICから車で約20分
遠方でも購入できるように、田中酒造では公式オンラインショップも展開しています。公式HPからアクセス可能です。
田中酒造店のおすすめ銘柄
田中酒造店のおすすめ銘柄は「田中林兵衛 純米大吟醸」「真鶴 純米大吟醸 美山錦28%」「まなつる 生酛 特別純米」です。
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田中林兵衛 純米大吟醸 | 創業者の名を冠した最高峰酒 |
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真鶴 純米大吟醸 美山錦28% | 精米歩合28%の高級酒 |
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まなつる 生酛 特別純米 | 伝統製法「生酛造り」の特別純米 |
田中林兵衛 純米大吟醸
特定名称 | 純米大吟醸酒 |
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原料米 | 山田錦 |
精米歩合 | 40% |
アルコール度 | 16〜17度 |
おすすめ温度帯 | 冷酒 |
創業者「田中林兵衛」の名を冠した田中酒造の最高峰の一本。創業1789年、約235年間にわたり受け継がれてきた伝統的な酒造りを大切にする田中酒造店の純米大吟醸を、ぜひ試してみてください。
真鶴 純米大吟醸 美山錦28%
特定名称 | 純米大吟醸酒 |
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原料米 | 美山錦 |
精米歩合 | 28% |
アルコール度 | 16〜17度 |
おすすめ温度帯 | 冷酒・冷や(常温) |
受注生産とされる宮城県産の美山錦を28%まで磨いた高級限定酒。特別な日のお供に、または大切な人への贈り物としてもおすすめの一本です。
まなつる 生酛 特別純米
特定名称 | 特別純米酒 |
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原料米 | 蔵の華 |
精米歩合 | 60% |
アルコール度 | 17.5度 |
日本酒度 | +6.0 |
酸度 | 2.3 |
アミノ酸度 | 1.0 |
おすすめ温度帯 | 冷や(常温)〜熱燗 |
田中酒造が67年ぶりに復活させた生酛づくりの特別純米酒です。伝統的な製法で造られた一本を、ぜひ試してみてください。
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